上古賀の家

武雄市の小高い山の中腹に建つこの家は、20代の夫婦と2歳になる男の子の家族3人暮らし。

仕事と家事をしながら子育てをしている多忙なお母さんのことを考え、便利で使い勝手のよいキッチン環境をつくることを中心にプランニングを行いました。
リビング・ダイニングに面したキッチンの周りには、レンジや炊飯器などを置く造り付けの「家電棚」
食品や台所用品のストックなどを収納する「食品庫」などをそれぞれ配し、食事の準備や後片付けがしやすいキッチン環境になっています。キッチンからはリビング・ダイニングや庭などが見渡せ、遊んでる子供を見守ることもできます。

お施主さんが最も希望されていたのが、「物が散らからない家」…
物が散らからない家にするためには、まず住む方が掃除をして片付けることが大切なのですが、収納が無かったり少なかったりしては片付けようがありません。そのため、玄関にはシューズ庫、キッチンにはパントリー(食品庫)、寝室や子供部屋にはウォークイン・クローゼットなど、使いやすさを考えたたくさんの収納があります。
一戸建て住宅の場合、床面積に対する収納面積の割合は10%程度が目安といわれますが、この家にはおよそ18%の収納スペースを設けています。片付けやすく掃除しやすい住まいをつくることは、家事の負担を減らすことにつながります。
延床面積は32坪とコンパクトな家ですが、無駄な空間をつくらず必要最小限の生活空間と充実した収納スペースを設けることで、片付けやすく生活しやすい住まいになっています。
また、家をコンパクトにつくることで建築費はもちろん、空調費の削減や外壁塗替えなど、メンテナンス費用も低く抑えることができます。

ダイニングの窓越しに広がる田畑と山々の風景。
夕食時には、夕日を眺めながら子供たちと食事をする。
小さな家のなかに、豊かで貴重な家族の時間がそこにはあります。

  • 所在地 : 佐賀県武雄市
  • 用途 : 専用住宅
  • 家族構成 : 3人
  • 設計 : 野中建築設計事務所
  • 施工 : 株式会社 NONAKA
  • 種別 : 新築
  • 竣工 : 平成29年07月
  • 延床面積 : 108.48m²
  • 構造 : 木造2階建
  • 写真 : 八代写真事務所