八ッ枝の家

武雄市に建つ築45年の住宅。
キッチンやリビングをリノーベーションさせていただいた60代夫婦 のお住まいです。

前回は、キッチン廻りを中心にリノーベーションを行ったのですが、家事動線や収納量を大幅に改善したプランニングや、ご夫婦の好みの空間デザインなどを大変喜んでいただきました。そして今回は、前回手を加えていない寝室や玄関まわりのリノーベーションの依頼をいただきました。
築40年を超えるお住まい。もともと寝室は2階にあったのですが、年齢からくる将来の身体機能の衰えを考慮され、1階に寝室をつくれないかと希望されました。
そこで、1階の使わなくなった部屋をリノーベーションして、寝室+ウォークインクローゼットに。玄関には、大型の下駄箱を造作し、収納量が大幅に増えたことで玄関全体がすっきりとした空間になりました。今回のリノーベーションで、前回できなかった部分の耐震補強や断熱補強も同時におこなうことができました。

長くて暗い廊下…
ここのお住まいには、玄関ホールからトイレにつながる7m弱の長い廊下があります。そこはトイレに行くときには必ず通らなければいけない廊下なのですが、昼間でもほとんど日が当たらない薄暗い空間です。この廊下をリノーベーションするにあたり、なんとか明るくできないものかと考えましたが、窓を設けるにも廊下の両側は部屋になっていて、直接外部に面する壁は廊下の突き当たりのわずかな壁面だけ。この廊下を明るくするのは非常に難しい状況でした。それならこの暗さを利用して、楽しめる空間にできないかと考えました。
そこで、廊下の壁をくり抜いたような小さな飾り棚を等間隔に設け、そこにニッチ照明を仕込み、廊下の突き当りのわずかな壁に小窓と内障子を設けました。
昼間は廊下の突き当たりに設けられた内障子から、光をまとった紙がほのかに廊下を照らし、夜はニッチからもれる照明の光が廊下を優しく照らす幻想的な空間になりました。今では、廊下の小さな飾り棚にオブジェや小物を飾り、ちょっとした小さなギャラリーを、ご家族で楽しまれています。

  • 所在地 : 佐賀県武雄市
  • 用途 : 専用住宅
  • 家族構成 : 3人
  • 設計 : 野中建築設計事務所
  • 施工 : 株式会社 NONAKA
  • 種別 : リフォーム
  • 竣工 : 平成28年09月
  • 延床面積 : 216.39
  • 構造 : 木造2階建
  • 写真 : 八代写真事務所